2005 Fiscal Year Annual Research Report
非中性プラズマを用いた多粒子系緩和過程に関する実験的研究
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04J01162
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
曽我 之泰 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 非中性プラズマ / 波動トルク / Landau減衰 |
Research Abstract |
直線型トラップに閉じ込めた純電子プラズマに、方位角方向のモード数が1のTrivelpiece-Gouldモードの回転波を励振し、周波数を弱磁場(0.05T)では数100ms、強磁場(2T)では数十秒をかけて直線的に増加させて、密度分布の時間変化を詳細に計測した。いずれもクーロン衝突緩和時間よりは充分長い設定としている。成果は以下のようにまとめられる。 (1)波の回転方向がプラズマの自己電場による回転方向と一致する場合に密度分布は収縮し、逆向きだと平坦な分布となり、その外縁が急速に拡大する。分布が圧縮された軸上の密度は強磁場では300倍に達した。 (2)導体壁に誘起される鏡像電荷の測定により、プラズマ内で結合するモードの分散関係を検討した。まず励起位置から下流側で見ると、波の振幅の減衰は密度分布の圧縮と強く対応している。実測した密度分布を基礎としてT-Gモードの波動方程式を固有値問題として解き、測定された鏡像電荷と壁位置の波動関数の勾配とを等しいと置くことにより、プラズマ内部における波動のグローバルな分布を強度の絶対値も含めて決定した。また固有値と励起周波数から軸方向の波数を決定した。この手法によって求めた分散関係は、確かにT-G波が励起され、そのLandau減衰が径方向圧縮と対応していることを示している。 (3)上記の過程を記述する理論モデルを構築した。[Y.Kiwamoto, Y.Soga and J.Aoki, "Radial transport in magnetized nonneutral plasma driven by rotating wave", Phys.Plasmas 12,094501(2005)] (4)実験で得られた径方向の粒子輸送率はこのモデルの予測とファクター3以内でよく一致する。螺旋状に伝播する波はプラズマ断面内では固有関数の重ね合わせで表されるグローバルな分布を保ちながら、軸方向には共鳴粒子との相互作用でエネルギーを失う。その一方で周方向の電場によるExBドリフトも共鳴的な径方向輸送を引き起こして、密度分布の収縮が誘導される。[Y.Soga, Y.Kiwamoto, N.Hashizume, "Transport Processes of a Non-neutral Plasma Coupled to an External Rotating Wave", accepted for publication in Physics of Plasmas]
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Research Products
(3 results)