2004 Fiscal Year Annual Research Report
周波数有効利用を実現する次世代マルチホップネットワーク用MACプロトコルの研究
Project/Area Number |
04J01178
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
山本 高至 京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | マルチホップネットワーク / マルチホップ伝送 / 周波数利用効率 / 自律分散制御 / ゲーム理論 / 通信距離拡大 |
Research Abstract |
現行の無線LANや携帯電話システムにおいては、有線と接続されたアクセスポイントと端末は直接の無線伝送を行う。これに対し、サービスエリアの拡大を目的として、他端末を無線中継局として用いるマルチホップネットワークが注目を集めており、標準化の動きも盛んになりつつある。 昨年度、本研究では周波数利用効率の向上を実現するプロトコルの要求条件、すなわちマルチホップネットワークにおける端末密度、送信電力と周波数利用効率の間の基本的な関係を明らかとするため、マルチホップ伝送の理論的な評価、ならびに自律分散的経路選択を行った場合のマルチホップネットワークの容量を評価する計算機シミュレーション系の構築を行った。前者においては、マルチホップ伝送の利用により通信距離が拡大できるが、これはエンド端末間のスループットの減少、すなわち周波数利用効率の低下とトレードオフの関係にあることを示した。これは適応変調・レート制御と同じ効果であるが、マルチホップ伝送の方がより通信距離拡大効果が大きいことを明らかとした。 後者においては、集中制御を前提としたネットワーク容量と、自律分散制御により実現されるスループットの比較を、ゲーム理論を適用することで試みた。自律分散制御では、集中制御を前提としたネットワーク容量は必ずしも実現できないが、送信電力が小さい場合には、自律分散的な経路選択を行っても、ネットワーク容量に近いスループットが実現可能なことを明らかとした。
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Research Products
(2 results)