2004 Fiscal Year Annual Research Report
全無線自律分散ネットワークに向けた超大容量無線伝送方式と高度適応信号処理の研究
Project/Area Number |
04J01179
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小池 俊昭 京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 協力中継 / 遅延ダイバーシチ / 周波数繰り返し時空等化 / 周波数領域時空符号化 / マルチユーザ協力空間多重 / 大容量高品質無線通信方式 / 最尤系最適受信方式 / 局所最適点解析 |
Research Abstract |
全無線マルチホップネットワークにおいて,近傍の無線機が互いに協力し合い,ダイバーシチ送信を行う協調通信が注目されている.受信機の負担軽減をねらって,簡易な線形処理によりダイバーシチ合成が可能となるSTBC(Space-Time Block Code)を利用する研究が多数行われている.協調通信の利点は,複数の近傍無線機の協力により,低いブランチ間相関を実現し大きなダイバーシチ利得が達成できることである.しかしダイバーシチ次数を向上させるためには,多数の無線機に効果的に高次のSTBCを割り当て,同期させて中継する必要がある.そこで本研究では高いダイバーシチ次数を実現し,同期ずれに寛容である遅延ダイバーシチ送信を利用する方式を提案した.遅延波数の増加に対して演算量増大が生じない周波数等化(FDE : Frequency-Domain Equalizer)を導入することで比較的容易にダイバーシチ次数の向上が可能である.等化器に利用により,広帯域伝送時に生じる符号間干渉は自然に補償することができ,特性の改善に寄与することができる.FDEは中継機間の同期ずれに起因する遅延を吸収でき,同期に関する制御困難性を緩和できる.また,ダイバーシチブランチの割り当ては送信タイミングの設定のみであるため,自由度の高いシステム設計が可能である.しかし,一般に線形等化による遅延ダイバーシチ利得よりもSTBCダイバーシチ利得の方が高いことが知られている.本研究ではさらにFDE利用のための周波数時空符号を提案し,遅延とSTBCの両ダイバーシチ効果を同時に引き出す繰り返し等化器の提案を行った.見通し内環境下などでは,協力無線機数を余計に増大させても特性改善に寄与しない現象が生じる.そこで,協調通信に空間多重技術を併用することで,さらに高い伝送容量が実現可能であることを明らかにした.
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Research Products
(3 results)