2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J01194
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野口 宙幹 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | キノリン / 鈴木・宮浦カップリング / パラジウム / ボロン酸 / らせん構造 / らせん高分子 / オリゴマー / 重合 |
Research Abstract |
今回ナフタレン型骨格を有するモノマーを用い、連続的なクロスカップリング反応によりモノマーユニットの2,3位で結合したオリゴマーの合成法を確立し、またそのオリゴマーがらせん構造をとっていることを確認した。 モノマーとして2-ブロモキノリニル-3-ボロン酸誘導体を用いた鈴木・宮浦カップリング反応による重合の検討を行った。5,8-ジメチル-2-ブロモ-3-キノリニルボロン酸のホウ素部位をピナコールボランに変換した化合物をモノマーとして用い、5mol%のビストリターシャリーブチルホスフィンパラジウム触媒存在下、塩基として炭酸水素ナトリウムを用いてDMF溶媒中で反応を行った時、最大12量体までのキノリンオリゴマーを88%収率で得ることに成功した。この反応条件下では、今まで問題となっていたモノマーのホウ素部位の加水分解反応は抑制され、カップリング反応のみが連続的に進行することを見出した。 またキノリンオリゴマーの構造に関しての知見を得るため、各オリゴマーを様々な条件で再結晶を行なったところ、6量体の単結晶を得ることに成功した。この6量体のX線結晶構造の結果、キノリンオリゴマーは末端に臭素原子を持ち、キノリン環の2,3位で結合したらせん構造をとっていることを確認した。また結晶自体は左右一対のラセミ結晶であった。隣り合うキノリン環の二面角は116〜137°をとり、らせんの繰り返し周期は一巻き、2.5モノマーユニットで形成されていることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)