2004 Fiscal Year Annual Research Report
強固なσ炭素骨格で被覆されたオリゴチオフェンの合成と物性探索
Project/Area Number |
04J01199
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山崎 大輔 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ビチオフェン / ターチオフェン / 自己電子移動 / ^1H NMR / 動的挙動 / 速度定数 / 活性化パラメータ / ラジカルカチオン |
Research Abstract |
ビシクロ骨格が縮環したビチオフェン1およびターチオフェン2とそれらのラジカルカチオンとの電子交換について、速度定数および活性化パラメータを算出し、動的挙動について検討した。ビチオフェン1のCD_2Cl_2溶液に1^<・+>をごく少量加えると、^1H NMRにおける1のシグナルは1^<・+>との電子交換の影響を受けブロードになることが示された。そこで脱気下にて中性分子1とラジカルカチオン塩1^<・+>SbF_6^-を混在させたCD_2Cl_2溶液([1]=8.25×10^<-3>M,[1^<・+>]=1.00×10^<-5>M)を厳密に調製し、10〜-90℃の温度範囲で^1H NMR測定を行った。チオフェンのβ位の水素原子のシグナルについて中性分子との半値幅の差Δν_<1/2>を求め、k_<et>=πΔν_<1/2>[1^<・+>]^<-1>の近似式を用いて速度定数k_<et>を各測定温度において算出した。アレニウスプロットから活性化パラメータは、ΔG^‡=6.96kcal/mol、ΔH^‡=2.65kcal/mol、ΔS‡=-14.5eu(25℃)と求められた。またターチオフェン2についても同様に活性化パラメータを算出し、ΔG^‡=7.07kcal/mol、ΔH^‡=2.70kcal/mol、ΔS^‡=-14.7eu(25℃)であることがわかった。この結果から、ビチオフェン1とターチオフェン2では活性化パラメータはほぼ同様の値をもっており、自己電子移動反応における速度定数および交換プロセスはほぼ同じであることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)