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2005 Fiscal Year Annual Research Report

強固なσ炭素骨格で被覆されたオリゴチオフェンの合成と物性探索

Research Project

Project/Area Number 04J01199
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

山崎 大輔  京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)

Keywordsターチオフェン / ラジカルカチオン / πダイマー / X線結晶構造解析 / 紫外可視近赤外吸収スペクトル / ESR / 分子間相互作用 / 理論計算
Research Abstract

ビシクロ[2.2.2]オクテンの縮環したターチオフェン1をジブロモチオフェンとビシクロ骨格が縮環したチオフェンのSn誘導体とのStilleカップリング反応により合成した。NO^+SbF_6^-塩を用いる一電子酸化により、室温空気中でも極めて安定な青色結晶として1^+SbF_6^-塩を得た。CH_2Cl_2溶液のESRスペクトルはg=2.0036にシグナルを示し、低温での強度の減衰が観測された。このことから一重項であるπダイマーの形成が示された。また、CH_2Cl_2の紫外可視近赤外吸収スペクトルでも、低温でラジカルカチオンモノマーの吸収が減少し、πダイマーの吸収が新たに観測された。このラジカルカチオン塩は2ユニットずつが互いに中央部で強く相互作用して湾曲したπダイマーを形成することがX線結晶構造解析により確認された。-173℃ではπ系の間で最も近いC-C間の距離は2.975Åでsp^2炭素間の距離3.4Åより小さく、この距離は25℃では3.03Åに伸び、湾曲もやや緩和されることがわかった。また、この構造を用いてB3LYP/6-31G(d)レベルでシングルポイントエネルギー計算を行い、HOMOの軌道を確認したところ、分子間における結合性の相互作用の存在が示された。さらに原子同士の反発、特に最も大きい硫黄原子の反発を小さくするように配列していることからπダイマーの形成には分子同士の軌道の重なりを大きくすること、原子同士の反発を小さくすること、この二つの要因の兼ね合いが重要であると考えられる。また400Kにおける固体試料のESR測定では、half-fieldにπダイマーの熱励起三重項状態に由来するシグナルが観測された。

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Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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