2004 Fiscal Year Annual Research Report
精密ラジカル重合による核機能化ミクロゲル星型ポリマー:ナノ反応場の構築と機能
Project/Area Number |
04J01205
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寺島 崇矢 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | リビング重合 / ラジカル重合 / 遷移金属錯体 / 星形ポリマー / ミクロゲル / 高分子触媒 / 酸化還元反応 / 感温性相転移触媒 |
Research Abstract |
1.リビングラジカル重合による核機能化ミクロゲル星型ポリマーの合成 申請者らは、リビングラジカル重合を用いて、リビングPMMA鎖(枝ポリマー)をジフェニルスチリルホスフィン(配位子モノマー)存在下、エチレングリコールジメタクリレート(リンキング剤)で結合することにより、核に重合触媒であるRu錯体を直接導入した金属含有ミクロゲル星型ポリマーの合成法を見出した。そこで、これまでに引き続き、種々の枝長や、核サイズ、ならびに異なった金属含有量を有するRu錯体含有ミクロゲル星型ポリマーを合成した。これらの星型ポリマーは、GPC-MALLSより絶対重量平均分子量:17-220万、回転半径:8-19nm、枝数:11-92本であることが分かった。また、UV-visより核内Ru量はポリマー1gあたり31-74μmolと見積もられ、配位子モノマー量を変化させることで、核へのRu導入量を制御できるごとを見出した。 さらに、ポリエチレングリコール鎖を側鎖に持つ両親媒性モノマーを枝ポリマーに用い、両親媒性の金属含有ミクロゲル星型ポリマーも合成できた。 2.ミクロゲル核によるナノ反応場の構築と機能の創出 上記で合成した星型ポリマーの機能評価を行った。Ru含有ミクロゲル星型ポリマーをアセトン中で、種々の2級アルコールの酸化触媒として用いたところ、酸化反応が進行した。Ru均一触媒と比べ、反応速度は低下したものの、芳香環を有するアルコールに対する選択性が増加した。また、両親媒性の金属含有ミクロゲル星型ポリマーを、2プロパノール中でアセトフェノンの還元触媒に用いたところ、Ru均一触媒よりも反応速度が大きくなった。このように、重合触媒から高活性な両親媒性高分子触媒への直接変換が可能となった。
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