2004 Fiscal Year Annual Research Report
プロモーターは転写後にRNAが識別される過程にどのように関わっているのか
Project/Area Number |
04J01234
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福家 浩之 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | RNA核外輸送経路 / 転写反応 / プロモーター / アフリカツメガエル卵母細胞 / UsnRNA / mRNA / RNAポリメラーゼ / RT-PCR |
Research Abstract |
UsnRNAとmRNAの核外輸送経路がプロモーター配列により受ける影響を解析するために、UsnRNAとmRNAの鋳型となる配列の前にさまざまなプロモーター配列を連結した組換え遺伝子セットを用意した。それらの組換え遺伝子をアフリカツメガエル卵母細胞の核に微量注入して、組換え遺伝子に由来する核と細胞質それぞれのRNAをRT-PCRにより定量し、RNAの核外輸送を解析した。その結果、次の事実が明らかになった。 RNAポリメラーゼIにより転写されたUsnRNAは、本来のプロモーターから転写された場合と比較して、核外輸送の効率がわずかに下がった。また、RNAポリメラーゼIにより転写されたmRNA(イントロンを含まない)は、本来のプロモーターから転写された場合と同等の核外輸送効率を示した。 mRNAとUsnRNAの間でプロモーター配列を交換した場合には、その遺伝子に由来するRNAは、本来の遺伝子に由来するRNAと同じ核外輸送因子によって核外輸送されることが判明した。すなわち、RNAポリメラーゼIIによる転写を誘導するプロモーター配列は、UsnRNAとmRNAの核外輸送経路の決定にあまり大きな影響を与えないものと思われる。 RNAポリメラーゼIIIによって転写されたUsnRNAはその核外輸送効率が著しく低下するが、これはRNAポリメラーゼIIIによる転写反応では、RNAの5'末端にキャップ構造が付加されないからであると考えられ、過去の報告と一致する。また、mRNAがRNAポリメラーゼIIIによって転写された場合には、このRNAはmRNAとして核外輸送された。
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