2006 Fiscal Year Annual Research Report
血小板活性化における顆粒放出の分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
04J01244
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
白川 龍太郎 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Rab27 / Munc13-4 / 低分子量GTP結合蛋白質 / 血小板濃染顆粒 / セロトニン / Stre tolysin-O |
Research Abstract |
血小板は活性化にともない細胞内顆粒中に含まれる様々な生理活性物質を分泌する。濃染顆粒に含まれるセロトニンやADPは血小板自身のアゴニストであるため、血小板濃染顆粒の放出は、止血、血栓の形成に重要な役割を果たす。我々は血小板濃染顆粒分泌の分子機構について解析を進めている。核をもたない血小板に遺伝子導入などの分子生物学的手法を用いるのは困難である。そこで、我々は細菌毒素streptolysin-oにより形質膜を透過型にした血小板を用いた、in vitroでの解析系を確立した(2005,Methods Enzymol)。この系を用いて、低分子量GTP結合タンパク質Rab27が濃染顆粒分泌に重要であることを見いだし、さらに、血小板細胞質中より、Rab27の標的タンパク質としてMunc13-4を同定した(2004,J.Biol.Chem)。Munc13-4は、神経伝達物質の放出に必須であるMunc13-1の非神経ホモログであることから、神経系と血液系の細胞が類似した分泌機構を持つことが示唆された。本年度は血小板におけるRab27の活性調節機構について検討した。その結果、血小板中のRab27は恒常的なGDP/GTP交換活性によりGTP結合型に保たれており、活性化に伴って顆粒放出依存的にGTP加水分解活性が亢進することを見いだした(2006,J.Biol.Chem)。活性化に伴うGTPの加水分解は顆粒放出に必須でないことから、Rab27は血小板濃染顆粒の分泌においてシグナルを伝える分子スイッチとして機能しているのではなく、濃染顆粒を分泌の準備状態に維持する機能を担っている可能性が示された。
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Research Products
(2 results)