2005 Fiscal Year Annual Research Report
二時間周期の分子時計が制御する体節形成のメカニズム
Project/Area Number |
04J01253
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
國分 寛司 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 体節形成 / 分子時計 / Hes7 |
Research Abstract |
Hes7は未分節中胚葉(PSM)で周期的な発現の増減を繰り返す。Hes7ノックアウト(KO)マウスでは体節形成が乱れることから、PSMでのHes7の発現の周期的なオシレーションが規則正しい体節形成に必須であると考えられている。 我々はHes7の発現そのものではなく、Hes7の発現のオシレーションこそが体節形成に必須であることを明らかにするために、PSMでのHes7過剰発現マウスを作製した。このマウスはHes7プロモーター下にHes7遺伝子をつないだコンストラクトをハイコピーで挿入しており、PSMでのみHes7が過剰発現される。 Hes7の過剰発現マウスでは、予想通り、Hes7の発現のオシレーションはみられなかった。Hes7により発現が抑制されることが知られているLunatic Fringeは、発現がなくなっていた。また、各体節において発現がみられるUncx4.1は、Hes7過剰発現マウスにおいて、発現が乱れていることが分かった。従って、Hes7過剰発現マウスでは体節形成に異常があることが明らかとなった。 一方、Hes7の発現のオシレーションは、Hes7タンパクがユビキチン-プロテアソーム系により分解されることが重要であると考えられる。そこで、Hes7の14番目のリジンをアルギニンに置換したトランスジェニックマウスを作製し、解析を行った。その結果、Hes7タンパクがPSM全体で発現すること、体節形成が乱れることが分かった。よって、Hes7の発現のオシレーションに対するユビキチン-プロテアソーム系の関与が強く示唆された。 我々はさらにHes7の発現のオシレーションのメカニズムを解明するためにねHes7の発現をin vivoで可視化できるマウスを作製した。このマウスにはHes7プロモーター下に不安定化ルシフェレースを発現するコンストラクトを挿入してある。
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