2006 Fiscal Year Annual Research Report
二時間周期の分子時計が制御する体節形成のメカニズム
Project/Area Number |
04J01253
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
国分 寛司 京都大学, ウィルス研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 体節形成 / 分子時計 / Hes7 |
Research Abstract |
未分節中胚葉(PSM)では様々な分子が2時間周期でposterior側からanterior側へと発現の増減を繰り返しており(オシレーション)、周期的な体節形成を制御しているものと考えられている。Hes7はHes familyに属するbHLH型の転写抑制因子であり、PSMでオシレーションすることが知られている。また、Hes7のノックアウトマウスでは体節形成が乱れることから、適切な体節形成に必須であることが分かっている。 Hes7の発現がオシレーションするためにはHes7タンパク質がユビキチン-プロテアソーム系により速やかに分解されることが必須である。このため、Hes7の半減期は約20分程度と比較的短い。このような短い半減期をもつ場合、遺伝子からmRNAが転写されるのに要する時間がオシレーションの周期の決定に影響を及ぼす可能性が示唆される。このことから本研究では、Hes7のイントロンの長さを変えることにより、その転写にかかる時間を変化させ、Hes7の発現のオシレーションにどのような影響を与えるのかを観察する.現在、Hes7のイントロンの長さを変えたコンストラクトを作成し、ノックインマウス作製のためにES細胞での遺伝子組み換えを行っている。 また、去年度から引き続き、Hes7の可視化マウスを用いて、様々な遺伝子がHes7の発現のオシレーションに与える影響を調べている。Notchシグナルの構成因子であるLunatic Fringe及びDll3のノックアウトでは、Hes7の発現のオシレーションに変化は無かった。このことは、Hes7の発現はNotch以外のシグナルによっても制御されている可能性を示している。一方、Hes7ノックアウトマウスではHes7の可視化が見られず、Hes7の発現のオシレーションにHes7自身が必須であることが確認された。
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