2004 Fiscal Year Annual Research Report
発生・生体維持における膜蛋白質メルトリンβ/ADAM19のリガンド産生機構の解明
Project/Area Number |
04J01256
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
横関 智一 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | メルトリンβ / グリア増殖因子 |
Research Abstract |
メルトリンβは特に発生段階の後根神経節や脊髄に発現し、膜蛋白質であるグリア増殖因子を切断しErb Bの可溶性リガンドとして産生することが分かっている。また、中枢神経、末梢神経系ではグリア増殖因子はグリア細胞の生存、増殖、分化に必要であると分っている。本研究では、メルトリンβによる基質グリア増殖因子の認識、切断、その可溶性リガンドの放出される一連の過程の時空間的な解析をライブイメージングにより行い、リガンド産生の制御機構を解明する。 まず、グリア増殖因子の認識、切断、その可溶性リガンド産生の一連の過程の解析のため、グリア増殖因子のN末端、C末端の片方もしくは、両方に蛍光蛋白質をつないだ融合蛋白質の作成および最適化を行った。また、融合蛋白質に付けるシグナル配列についても最適化を行った。さらに、グリア増殖因子の切断過程を詳細に解析するために、蛍光相関分光法(Fluorescence Correlation Spectroscopy ; FCS)を用いた測定を行った。蛍光相関分光法とは、目的分子の運動を蛍光顕微鏡を用いて解析することで、その分子が解離や、他の分子と相互作用をしているかを生きた細胞で測定することのできる手法である。つまり、グリア増殖因子の切断が、より詳細に、より定量的に、よりオルガネラ特異的に観察ができる。上記、蛍光相関分光法を使うためにも、検討を行い最適化した。 その結果、メルトリンβによる、グリア増殖因子の切断をライブで観察するには、融合蛋白質をN末端から書いていくとすると、Venus-グリア増殖因子-ECFPが最適であることが分かった。また、蛍光相関分光法による観察には、GFP-グリア増殖因子が最適であることが分かった。 現在、上記融合蛋白質を用いて、培養細胞下で、グリア増殖因子がメルトリンβによってどのような制御の元、切断が行われているかを詳細に解析している。
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