2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J01258
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
黒田 貴雄 京都大学, 大学院・医学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | ES / Nanog / リン酸化 / 細胞周期 |
Research Abstract |
再プログラム化因子の候補としてクローニングしてきたNanog遺伝子はホメオドメインを持つ転写因子であり、embryonic stem cell (ES細胞)の未分化性維持に必須の役割を果たすことが報告されている。Nanogの未分化細胞特異的発現を制御する機構を解析した結果、転写開始点上流にあるOctamer/Sox配列に結合するOCT4とSOX2によって発現が制御されていることを明らかにした。 次にNANOGタンパク質自身の機能調節機構を解明することを目的に、翻訳後修飾の有無を検討した。NANOGタンパク質を脱リン酸化処理するとウエスタンブロット解析において移動度が大きく変化したことから、NANOGは高度にリン酸化を受けていることが明らかになった。NANOGのN末端側に集積しているセリン残基をアラニン残基に置換する部位特異的変異導入により、リン酸化セリン残基を三ヶ所同定した。リン酸化の有無によるNANOGの細胞内局在と結合配列を含むDNAへの親和性には顕著な変化は見られなかった。 細胞周期を同調させてNANOGのリン酸化を経時的に観察したところ、G2後期からM期にかけてリン酸化の程度が上昇することが明らかになった。細胞周期依存的なリン酸化はES細胞で発現している内在性のNANOGだけでなく、通常NANOGを発現していないNIH3T3繊維芽細胞に強制的に発現させたNANOGにおいても観察された。NANOGはリン酸化によって細胞周期依存的に機能を調節している可能性が示唆された。
|
Research Products
(1 results)