2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J01258
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
黒田 貴雄 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ES / Nanog / Oct4 / Promoter / Sox2 |
Research Abstract |
再プログラム化因子を同定する過程でクローニングされてきたNanog遺伝子の未分化細胞特異的発現を制御する分子機構を解明することを目的とした。 GFPにNanogの5'上流2.5kbpと3'下流3.9kbpを繋げたtransgeneをembryonic stem cell(ES細胞)に導入したところ安定発現株を樹立することができた。この細胞でのGHPの発現は未分化細胞特異的であったことから、このtransgene内に未分化細胞特異的発現を制御する領域が含まれていることがわかった。 次に異なる長さのNanog遺伝子5'上流領域を持つコンストラクトを作成してluciferase assayを行った。その結果、転写開始点上流約200bpの位置に存在しているOctamer結合配列とSox結合配列が連結している配列が未分化特異的発現を保障するのに必要であることが明らかとなった。そこで、Octamer配列、Sox配列、Octamer/Sox両方の配列に部位特異的変異を入れたコンストラクトを作成しluciferase assayを行った。その結果、どちらか一方の配列に変異が入っただけで転写活性は急激に減少したことから、Octamer結合配列とSox結合配列の両方が必要であることが分かった。 マウス、サル、ヒトのNanog遺伝子5'上流領域を比較するとOctamer結合配列とSox結合配列は3種の間で完全に保存されていた。さらにこのOctamer/Sox配列を含むヒトNanog遺伝子の5'上流領域はヒトES細胞においてGFPレポーター遺伝子の適切な発現を誘導した。 F9 embryonal carcinoma cellと胎齢12.5日目の胎児から樹立されたembryonic germ cellを用いたelectrophoretic mobility shift assayの結果から、OCT4とSOX2がこの配列に結合することが確かめられた。しかし、ES細胞ではOCT4とSOX2以外のSox配列に結合する未知の因子との複合体がOctamer/Sox配列に優先的に結合していた。
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Research Products
(1 results)