2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規脂質微粒子を利用した脂質膜構造-タンパク活性相関の定量的評価
Project/Area Number |
04J01261
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
加茂 倫有 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | パッキングストレス / キュービック相 / ラメラ相 / キュボソーム / リポソーム / 蛍光測定 / 膜結合性ペプチド |
Research Abstract |
・脂質液晶相中の脂質周辺環境の評価 レシチン/モノオレイン(PC/MO)混合物よりなる脂質微粒子リポソームおよびキュボソームに導入した蛍光プローブ(DPH-propionicacid)について蛍光寿命の測定を行い膜の水和状態を評価した。実験の結果、キュボソーム中でプローブの蛍光寿命の減少が観察されたことより、キュービック相のアシル鎖領域には水分子がアクセスしやすいことが判明した。ラメラ相からキュービック相へと転移することによりアシル鎖領域の側方圧(パッキングストレス)が緩和されることが16年度の研究結果より判明したが、今回の結果は側方圧が水分子の膜への侵入を制御していることを示唆している。 ・脂質液晶相とペプチドの相互作用 非分散の脂質液晶相に蛍光プローブ(Dipyrenylphosphatidylcholine (DipyPC)および2-(9-anthroyloxy)stearic acid (2-AS))を導入し蛍光測定を行い、膜結合性ペプチド(18A)存在下における膜中の脂質の挙動を観察した。18A非存在下において、DipyPCのexcimer/monomer蛍光強度比測定では脂質微粒子を用いた評価と同様の側方圧変化が観察された。また、2-ASの蛍光寿命より膜界面領域の水和は膜中のMOの割合とともに増大することが判明した。18A存在下ではMOにより増大した側方圧および膜界面の水和の減少が観察された。今回の研究より、膜結合性ペプチドは膜に正の曲率を与えることにより、負の自発曲率を持つMOが膜に及ぼす効果(側方圧、水和度)を緩和することが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)