2004 Fiscal Year Annual Research Report
木質バイオマス資源を用いたポーラスナノカーボンの創製
Project/Area Number |
04J01280
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
黒崎 文雄 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 木質炭素化物 / 炭素構造 / 昇温速度 / 急速熱分解 / 金属触媒 |
Research Abstract |
本年度は、当初の計画通り、「急速熱分解法により調製した木質炭素化物の炭素構造の解析と形成過程の解明」をテーマに研究を遂行した。原料、加熱温度、昇温速度、反応時間、雰囲気条件のような諸パラメーターが急速熱分解試料の炭素構造に及ぼす影響を明らかにした。これに加え、原料中に含まれる微量元素が炭素構造発達の触媒として働くことが確認された。そこで、当初の予定を繰り上げ、「触媒添加条件下で調製された急速熱分解木質炭素化物の構造解析」をテーマに研究を遂行した。炭素六角網面の積層構造形成の触媒となる鉄を添加することで、通常の低速熱分解法に比べ、急速加熱法の方が10分の1程度の添加触媒量で同等の触媒効果が得られることが示された。来年度は、本年度得られた成果を元に鉄以外の触媒作用を持つニッケルやコバルト等の添加を試み触媒効果の向上および触媒の分散性を検討するとともに、得られた炭素材料の物理特性を明らかにすることで、応用技術開発を目指す。 本年度の研究成果は、国際学会5^<th> International Wood Science Symposium(京都)、International Symposium on Nano Carbon(長野)、学会第54回木材学会大会(札幌)においてそれぞれ研究報告を行った。これらをまとめ、雑誌論文として「Microstructure of Carbonized Wood Material Prepared by Flash Heating under Fe Catalysis」としてCarbonに投稿する予定である。
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Research Products
(4 results)