2005 Fiscal Year Annual Research Report
コミカンソウ亜科における絶対送粉共生系の起源、多様化、および維持機構
Project/Area Number |
04J01284
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川北 篤 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | カンコノキ属 / Epicephala属 / 絶対送粉共生系 / コミカンソウ科 / 分子系統解析 / 起源 / 共多様化 / ホソガ科 |
Research Abstract |
コミカンソウ科(従来のトウダイグサ科コミカンソウ亜科)に含まれる様々な属の植物について,琉球列島,台湾,ラオス,キューバ,マダガスカル,アメリカ合衆国における野外調査に基づき,その送粉様式を明らかにした。またこれらの植物について葉緑体,および核遺伝子の塩基配列を解析することにより系統関係を明らかにし,コミカンソウ科における送粉様式の進化のパターンを明らかにした。コミカンソウ科にはカンコノキ属のように種子食性のEpicephala属ホソガとの間で送粉をめぐる特殊な共生関係が見られる属があるが,本研究の結果こうした共生関係がコミカンソウ科で複数回起源していることが明らかになった。また新大陸における野外調査の結果,こうした共生系が世界的な広がりをもっていることが明らかとなった。 カンコノキ属においてEpicephala属ホソガとの間の種特異性に関する詳細な解析を行った。琉球列島および台湾に生育するカンコノキ属植物5種について,送粉者であるEpicephala属ホソガのミトコンドリア,および核遺伝子の塩基配列を解析し,また交尾器形態を比較することで,両者の間の複雑な種間関係を明らかにした。 このほか昨年度に引き続きカンコノキ属における絶対送粉共生系の進化的な維持機構に関する調査として,和歌山県のフィールドにおいてカンコノキの開花,受粉率,結実率,自家和合性などに関する基礎的データの収集を行った。これらの調査は来年度も引き続き行う予定である。
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Research Products
(1 results)