2004 Fiscal Year Annual Research Report
ベルベリン生合成系におけるシトクロームP450遺伝子の構造と機能
Project/Area Number |
04J01295
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池澤 信博 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イソキノリンアルカロイド / P450 / メチレンジオキシ環形成 / ベルベリン / オウレン / ハナビシソウ / P450の多様性 |
Research Abstract |
1.ベルベリン、コプチシン高生産能を有するオウレン培養細胞を用いて、イソキノリンアルカロイド生合成経路上に存在する新規なメチレンジオキシ環形成P450(cheilanthifoline合成酵素、stylopine合成酵素)の全長cDNAの単離、同定を試みた。目的とするメチレンジオキシ環形成P450はCYP719と類似した一次構造を有していると考え、CYP719のアミノ酸配列を元に作成したディジェネレートプライマーを用い、オウレン培養細胞ゲノムを鋳型としてPCRを行った。その結果、CYP719と非常に類似した2種の新規なP450遺伝子断片の単離に成功した。その後、RACE法やTAIL PCR法によりこれら2種の新規なP450遺伝子のcDNA全長配列を単離した。これらの遺伝子はCYP719と高い相同性を有し、CYP719同様、メチレンジオキシ環形成反応を触媒する可能性が高いと考えられた。そこで、これらのP450を、酵母発現系を用いて発現させ、(S)-scoulerineを基質とした酵素活性の測定を試みたが反応産物の生成を確認するには至っていない。 2.CYP719の多様性を検討する事を目的にベンゾフェナンスリジンアルカロイドを生産するハナビシソウ培養細胞を用いて、CYP719と類似した一次構造を有するメチレンジオキシ環形成P450遺伝子の単離、同定を試みた。ハナビシソウ培養細胞ゲノムを鋳型として、上記と同様のディジェネレートプライマーを用いてPCRを行い、CYP719と類似した2種の新規なP450遺伝子断片の単離に成功した。その後、TAIL PCR法によりこれらのcDNA全長配列を単離した結果、これらはCYP719と高い相同性を示すことが明らかとなった。
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