2005 Fiscal Year Annual Research Report
ベルベリン生合成系におけるシトクロームP450遺伝子の構造と機能
Project/Area Number |
04J01295
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池澤 信博 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イソキノリンアルカロイド / P450 / メチレンジオキシ環形成 / ベルベリン / オウレン / ハナビシソウ / P450の多様性 |
Research Abstract |
ハナビシソウ培養細胞cDNAから単離していたCYP719A2、CYP719A3の解析を、酵母発現系を用いて行った。以前の解析から、これらのCYP719酵素は、cheilanthifoline合成活性を示さない事が明らかであったが、今回stylopine合成酵素の基質となるcheilanthifolineが少量ではあるが入手できた事より、CYP719A2、CYP719A3のstylopine合成活性の測定を行った。その結果、これらの遺伝子産物は共に(R,S)-cheilanthifolineを基質としてstylopineを生成する事がLC-MS解析により明らかとなった。また、その基質特異性を明らかとする為、(S)-scoulerineと(R,S)-cheilanthifolineを等濃度混ぜて競合反応を行った所、CYP719A2はほぼ(R,S)-cheilanthifolineのみを基質とする事が明らかとなった。一方、CYP719A3は(S)-scoulerineと(R,S)-cheilanthifolineを同程度基質とし、加えて、(S)-tetrahydrocolumbamineと(R,S)-cheilanthifolineに対しても同程度基質とする事が明らかとなった。一方、CYP719A2は(S)-tetrahydrocolumbamineを基質としなかった。以上、CYP719A2とCYP719A3の基質特異性は異なっている事が明らかとなった。なお、オウレンのCYP719A1は、(R,S)-cheilanthifolineを基質としなかった。今後、CYP719A2、CYP719A3の基質特異性に関してさらに解析を進める予定である。
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