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2006 Fiscal Year Annual Research Report

Wnt2bによる網膜幹細胞の維持に関わる分子のスクリーニングと機能解析

Research Project

Project/Area Number 04J01307
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

久保 郁  京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)

KeywordsWntシグナル / 網膜幹細胞 / Hes
Research Abstract

網膜幹細胞が生体内で維持される際に重要な役割を果たす遺伝子の探索を行い、いくつかの候補遺伝子を得た。これらのうちいくつかの遺伝子は、網膜において網膜幹細胞が存在する領域CMZに特異的に発現していた。またこれらの遺伝子の発現はWnt2bの過剰発現によって活性化されたことから、Wnt2bによって維持される網膜幹細胞の優れたマーカーとしてはたらくことが分かった。
研究の途中で、bHLH型転写因子であるc-hairylがCMZで発現していることが報告された。そこでc-hairylがWntシグナルの下流で網膜幹細胞の維持に関わっているかどうか検討した。
Wntシグナルを活性化すると、c-hairylの発現が上昇したことから、c-hairylの発現はWntシグナルの下流で制御されていることが示唆された。c-hairylの過剰発現を行うと、Wnt2bの過剰発現と同様に、神経細胞への分化が抑制され、かつ細胞増殖能が保持されていた。さらに、上記スクリーニングで得られたCMZで特異的に発現する遺伝子の発現が、c-hairylの過剰発現により異所的に観察されたことから、CMZに存在する細胞に良く似た性質を持つ未分化な細胞集団が誘導されていることが示された。逆に、c-hairylのドミナントネガティブ分子の過剰発現を行うと、1)神経分化が異所的に観察されたこと、2)またCMZでは、CMZ特異的発現遺伝子の発現が消失していたことから、c-hairylは未分化性の維持に必要であることが示唆された。さらに、c-hairylのドミナントネガティブ分子は、Wnt2bによる神経分化抑制、および細胞増殖能維持の効果を打ち消したことから、Wnt2bによる幹細胞の維持には、c-hairylの機能が必要であることが考えられた。

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Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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