2004 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳動物において2時間周期の分子時計が果たす機能の解析
Project/Area Number |
04J01308
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉浦 茂樹 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Hes1 / 分子時計 / マイクロアレイ / 培養細胞 |
Research Abstract |
本研究では、bHLH型転写因子Hes1が形成する2時間周期の生物時計が果たす機能を解析する事を目的として、この時計が機能している時期と部位、この時計が制御している下流の因子とその因子が果たす役割、そして、この時計の制御に影響を与えていると思われる他のシグナル伝達経路との関係を明らかにしようとしている。 今年度の研究は、以下の2つの項目に重点を置いて行った。 1.Hes1タンパクの可視化 2.Hes1オシレーションによって制御されている因子の同定 1については、Hes1タンパクに蛍光タンパク(Venus)を融合させたVenus-Hes1融合タンパクをコードする遺伝子を組み込んだトランスジェニックマウスを作成し、蛍光顕微鏡を用いて経時的に融合タンパクの蛍光を観察することによって、Hes1がオシレーションする部位と時期を明らかにしようと試みた。しかし、蛍光強度が検知できるレベルに至らず、Hes1のオシレーションを観察する事ができなかった。現在は、ルシフェラーゼ遺伝子をレポーターに用いてHes1発現の可視化を試みている。 2については、マイクロアレイ法を用いて、2時間周期でオシレーションする因子の網羅的な解析を試みた。具体的には、C3H10T1/2という培養細胞に血清刺激を与えた後、経時的(1時間おき)にRNAを回収し、マイクロアレイ法によって様々な因子の発現変化を網羅的に解析し、2時間周期でオシレーションする因子の同定を試みた。その結果、Hes1と同じように2時間周期でオシレーションする因子を幾つか同定する事ができた。また、それらの因子について解析を行ったところ、Hes1のオシレーションの制御に関係しているものが含まれていることが分かった。現在、その分子機序を詳細に検討しているところである。
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