2006 Fiscal Year Annual Research Report
DNA複製に伴うヌクレオソーム構築反応の試験管内再構成
Project/Area Number |
04J01310
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久保 知大 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | mRNA / 新機能 / 3'プロセッシング / 非翻訳領域 / ポリアデニル化 / RNA切断 / 転写 / 高等真核生物 |
Research Abstract |
本研究種目の研究成果をNucleic Acids Research誌(2006,vol:34,6264-6271)に発表した。 高等真核生物では、1つの遺伝子から多様な種類のmRNAが産生される。このような遺伝子発現の多様性は、選択的スプライシングや選択的ポリアデニル化(alternative polyadenylation)により生み出されることが知られている。選択的ポリアデニル化により、翻訳されるタンパクの1次構造が変化する場合や成熟mRNAの3' UTRだけが変化する場合などがあるが、特に、3' UTRを変化させるような選択的ポリアデニル化に関してはその分子基盤は全く不明であった。 論文ではpre-mRNAの切断反応に関わる因子として知られていたCleavage Factor Im複合体(CFIm)の細胞内機能を解析した。その結果、CFIがm3' UTR内での選択的ポリアデニル化に寄与していることを明らかにした。ヒトHeLa細胞において、CFIm複合体の25-kDaサブユニット(CFIm25)をRNA干渉法によりノックダウンし、いくつかの遺伝子のmRNAがどのような影響を受けるか解析した。その結果、CFIm25ノックダウンにより3' UTR内での選択的ポリアデニル化が劇的に変化することが明らかとなった。興味深いことに、CFImノックダウンによる3' UTR内でのポリA付加部位の選択では、上流側に存在するポリA付加部位が特異的に使用されることが示唆された。
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