2005 Fiscal Year Annual Research Report
3次元再構築法を用いた根粒形成遺伝子の立体的発現解析
Project/Area Number |
04J01336
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Research Institution | National Food Research Institute |
Principal Investigator |
金森 紀仁 独立行政法人食品総合研究所, 食品工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | ミヤコグサ / 根粒 / ポジショナルクローニング / ヌクレオポリン / モルッカネム |
Research Abstract |
ミヤコグサの根粒形成変異体からポジショナルクローニング法を用いて根粒形成に必須な遺伝子としてヌクレオポリンの1つであるNUP133の単離に成功した。単離に成功したNUP133遺伝子は核-細胞質間の物質輸送に重要な核孔タンパク質の遺伝子の一つと相同性が確認できた。このことから、植物-微生物共生は、微生物からのシグナルが植物の核へと情報伝達され、植物の核で共生相手として認識、共生器官である根粒の形成を誘導することによっておこることを強く示唆している。これらの成果はアメリカシアトルで行われた植物生物学会において、学会の実行委員からの推薦でミニシンポジウムの演題の1つとして選出された。また2006年1月に、Proc.Natl.Acad.Sci.USA誌に掲載され、表紙にも選出された(Kanamori et al.,2006,103:359-364)。さらにサイエンス誌のシグナル伝達に関するウェブサイトSTKEで取り上げられた。単離したLjNup133遺伝子の発現を調べたところ組織特異的な発現をしていなかったため、根粒中でのLjNup133遺伝子の3次元再構築法を用いた立体的発現解析を行うことができなかった。 そこで新たな遺伝子を単離するために熱帯地方のパイオニアプラントとして用いられているモルッカネムの根粒を用い特異的に発現する遺伝子の単離を試み、70の候補遺伝子の単離に成功した。現在、今回新たに単離した70の候補遺伝子の組織特異性を調べ、根粒形成遺伝子の立体的発現解析を行っている。植物には固有の自家蛍光があるため、単離した遺伝子を蛍光タンパクを用いて3次元立体可視化を行った場合、バックグラウンドが高くなる可能性がある。蛍光指紋(EEM,励起蛍光マトリックス)のデータ等を新たに取得し、蛍光タンパクのみを可視化する必要があると考えている。
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Research Products
(1 results)