2004 Fiscal Year Annual Research Report
分子インプリント攪拌子による生体内環境汚染物質の高感度分析と暴露評価に関する研究
Project/Area Number |
04J01353
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
川口 研 星薬科大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | 分子インプリント法 / 安定同位体 / MIP / IMIP |
Research Abstract |
生体内には様々な化学物質が存在し、ヒトの健康に影響を及ぼすことが危惧されている。生体試料(血液、尿、唾液等)から様々な情報を得ることは、化学物質の生体内暴露評価において重要である。しかし、生体試料は、稀少であり超高感度分析法の開発が必要とされている。本研究の目的は、分子インプリント(MI)法を用いた生体内微量化学物質の超高感度分析法の開発にある。MI法は、認識させたい分子(鋳型分子)とモノマーを重合し、得られたポリマーから鋳型分子を取り除くことにより、鋳型分子に対して相補的な結合部位を形成する方法である。得られたポリマー(MIP)は、鋳型分子を選択的に吸着することが可能となる。 従来のMI法では、鋳型分子として分析対象物質そのものを用いることから、作製したポリマー内部からの分析対象物質の溶出を防ぐことはできず、微量分析への応用は困難であった。平成16年度の研究では、MI法の欠点であるMIP自身からの分析対象物質の溶出を考慮して、安定同位体でラベル化された分析対象物質を鋳型分子とするMIP(i-MIP)の製作を行なった。本法により得られたi-MIP内部から溶出する分子は、安定同位体ラベル化物質となる。従って、質量が分析対象物質と異なり、質量分析計(MS)での分離が可能であり、溶出に対し、全く影響されない微量分析法の開発が可能となった。 作製した新規のポリマーは、鋳型分子に対して高い選択性を有していた。また、固相抽出用の充填剤として適用した結果、河川中の環境汚染物質を高感度(pptレベル)で測定することが可能となった。
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Research Products
(9 results)