2006 Fiscal Year Annual Research Report
ゾルーゲル法で作製した酸化物ゲル膜の温水処理によるナノ微結晶生成とその構造制御
Project/Area Number |
04J01409
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山口 奈緒子 大阪府立大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ゾルーゲル法 / 酸化物 / 薄膜 / 温水処理 / 反射防止 / 構造制御 / 層状複水酸化物 / スピロピラン |
Research Abstract |
本年度は、Al_2O_3-ZnO薄膜を温水処理することによって得られる透明な層状複水酸化物(LDH)薄膜の光学的な応用を目指し、スピロピランを添加した蒸留水を用いて温水処理することによって、層間にフォトクロミック化合物がインターカレートしたZn-Al LDH薄膜の作製を検討するとともに、Al_2O_3-MgO薄膜を温水処理することによってLDHの基本組成であるMg-Al LDH(ハイドロタルサイト)薄膜の作製に取り組んだ。 水溶性であるスルホン化スピロピランを添加した蒸留水を用いて温水処理すると薄膜は青く着色し、また、蒸留水のみで温水処理した場合に比べ層間距離が広がり、層間にスピロピランがインターカレートしたZn-Al LDH薄膜を作製することに成功した。 本研究で作製したLDH薄膜の水酸化物層の層間において、スルホン化スピロピランは開環体のメロシアニン体で存在すると考えられる。 一方、Al_2O_3-MgO系では、共沈法による合成と同様に、塩基性条件下で温水処理することによってMg-Al LDHが析出することがわかった。水酸化物の溶解度の小さい塩基性条件化でMg-Al LDHが析出したことより、LDHの生成において、酸化物薄膜が溶解し水酸化物が析出することが示され、温水処理によるLDHの析出機構はAl_2O_3単成分薄膜を温水処理した場合に析出する花弁状アルミナと同様に溶解再析出機構であるということを結論付けた。
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Research Products
(4 results)