2005 Fiscal Year Annual Research Report
名人を超えるコンピュータ将棋ソフトの設計および実装
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04J01452
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
長嶋 淳 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ゲーム情報学 / コンピュータ将棋 |
Research Abstract |
目標とする名人を超えるコンピュータ将棋ソフトの作成のため,コンピュータ将棋の弱点である序盤の改良を前年度より引き続き行なった.多数の自己対戦を通して得意戦法を学習する試みに関しては,7月にアメリカで開催された8th Joint Conference on Information Sciencesに口頭発表した.成果をまとめた論文をNew Mathematics and Natural Computation Journalに投稿中である. 本年度は多くの大会や対局機会があり,開発を行っているコンピュータ将棋プログラムTACOSが多くの成果を残した. 1.第15回世界コンピュータ将棋選手権 6位(決勝リーグに進出) 2.10th Computer 01ympiad将棋部門 1位 3.橋本五段(プロ棋士)との公開対局 4.第3回コンピュータ将棋王者決定戦 7位(1の決勝リーグ進出チームによる大会) 5.コンピュータ将棋2005 世界最強決定戦 3位(1〜3の優勝チームによる大会) 3は,若手の強いプロ棋士とのハンディなしでの対局であった.序盤の研究が功を奏し,TACOSは比較的得意な戦法を選択することができた.そして序盤から有利に進め,終盤まで優勢に戦うことができた.結果的に敗れたものの,コンピュータ将棋が確実にプロとの差を縮めてきていることを示した. 本年度後半は主に,相手思考時間の利用や2手前の先読み時に得られる情報の有効利用について実装や研究を行った.また,並列化による高速化についても実装を開始した.これらは既に提案されている手法をもとに実装を行なったため,新規性はないが性能向上には効果があった.これらを含めたこの一年の改良の結果,プログラムの強さはアマチュア四段から五段相当へと向上した.
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Research Products
(3 results)