2005 Fiscal Year Annual Research Report
太陽コロナガス噴出に対する地球電磁圏応答の高時間分解能研究
Project/Area Number |
04J01460
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
片岡 龍峰 独立行政法人情報通信研究機構, 特別研究員(PD)
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Keywords | 太陽コロナガス噴出 / 磁気嵐 / 磁気流体シミュレーション / 太陽風 / 放射線帯 / 宇宙天気 |
Research Abstract |
コロナ大規模ガス噴出に関連する太陽風構造(ICME : Interplanetary coronal mass ejection)は最大規模の地磁気嵐を引き起こすため、宇宙天気予報の最重要研究課題となっている。データ解析と数値実験の両方の観点から、ICMEに対する地球電磁圏応答の仕組みを定量的に明らかにすることが本研究の目的である。 本年度は、NASA/GSFCを訪問し、磁気流体シミュレーションと粒子シミュレーションを結合することで、第23太陽活動周期最大の磁気嵐をシミュレーションで再現し、人工衛星の直接観測データと地上磁場データと比較した。その結果、磁場が極端に大きいICMEによって引き起こされる磁気嵐では、太陽風のマッハ数が極端に低下するため、太陽風密度の変化に伴って極間電位差や環電流が大きく変化し得ること、また、この密度効果は、大きい磁気嵐であればあるほど重要な効果であることを示すことに初めて成功した。この結果はGeophysical Research Lettersに発表し、国内外の学会でも発表した。 また、名古屋大の三好博士との共同研究も行った。第23太陽活動周期の全ての磁気嵐に対する放射線帯の応答を調べ、放射線帯外帯の電子フラックスは、ICMEで引き起こされる磁気嵐の回復相よりも、共回転相互作用領域で引き起こされる磁気嵐の回復相で、より強まることを定量的に示すことに初めて成功した。この結果はGeophysical Research Lettersに発表し、国内外の学会でも発表した。
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Research Products
(3 results)