2005 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン遺伝子を用いた魚類の健康診断法とそれを用いた選抜育種法の確立
Project/Area Number |
04J01472
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
河野 智哉 宮崎大学, 農学部, 特別研究員(PD)
|
Keywords | フグ / IL-2 / IL-6 / IL-21 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き、フグより新規サイトカイン遺伝子の分離を試みた。フグより分離された新規サイトカイン遺伝子は、IL-2,IL-6およびIL-21であった。染色体の解析により、フグのIL-2およびIL-21遺伝子は、同一染色体上に並んで存在し、ヒトにおける同遺伝子と染色体上の並びおよび転写方向ともに同じであった。分離されたIL-2は、149残基のアミノ酸から構成されており、3つのαヘリックス、ジスルフィド結合を形成する4つのシステイン残基およびIL-2ファミリーモチーフが保存されていた。一方、同一染色体上に存在するIL-21は、155残基のアミノ酸から構成されており、4つのαヘリックスおよびジスルフィド結合を形成する4つのシステイン残基が確認された。さらに発現解析から、IL-21遺伝子は腎臓および肝臓で発現が確認され、IL-2遺伝子は、解析した全ての臓器において発現が見られなかった。さらに、免疫賦活剤として知られるPHAで刺激した頭腎細胞における各遺伝子の発現は、両遺伝子ともに増加することが確認された。続いて、新規分離遺伝子IL-6は、染色体の解析から、ヒトのIL-6と同様の位置に存在することが、上流および下流域の存在遺伝子の解析によって明らかとなった。IL-6は227残基のアミノ酸から構成されており、4つのαヘリックス、ジスルフィド結合を形成する4つのシステイン残基、およびIL-6/G-CSF/MGFモチーフが保存されていた。また、発現解析から、通常状態の腎臓において発現が確認された。さらに、PHAで刺激した頭腎細胞中における発現は、コントロールと比べ有意に増加することが確認された。これらの結果は、ヒトにおいて知られる、T細胞増殖因子としてのIL-2、抗体のクラススイッチやTh1/Th2のバランスの調整に関与するIL-6の存在を明らかとなり、魚類における免疫応答の解明に重要なデータを提供するものと考えられる。
|
-
-
-
[Journal Article] Cloning and analysis of non-specific cytotoxic cell receptor (NCCRP)-l from common carp Cyprinus carpio L.2005
Author(s)
Sakata, H., Savan, R., Sogabe, R., Kono, T., Taniguchi, K., Gunimaladevi, I., Tassakka, A.C., Sakai, M
-
Journal Title
Comparative Biochemistry and Physiology 140
Pages: 287-294
-