2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J01500
|
Research Institution | Waseda University |
Research Fellow |
小林 章子 早稲田大学, スポーツ科学部, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 非ふるえ熱産生 / 寒冷 / 視床下部背内側核 / 皮膚 / 視床下部視束前野 / ラット |
Research Abstract |
視床下部視束前野(POA)の局所温度刺激のための熱極を作成した。熱極を循環させる水の温度やポンプの設定などで試行錯誤をしたが、一定の冷刺激および温刺激を繰り返しできる装置の作成を完了させた。麻酔下の動物(ラット)で刺激を行ったため、麻酔深度の影響が原因として考えられたが、POAの温度刺激による代謝の反応が顕著にみられないことが多かった。したがって、POAの温度刺激による代謝効果において視床下部背内側核(DMH)の関与を検討しなかった。一方、最近確立されたウレタンクロラロース麻酔ラットの皮膚冷却刺激の熱産生モデルを用いてDMHの関与を検討した。DMHに挿入したガラス電極から局所麻酔剤のリドカインを微量注入すると皮膚冷却刺激で誘起される非ふるえ熱産生が抑制された。またGABA_A受容体作動薬のムシモールを微量注入しても皮膚冷却刺激による非ふるえ熱産生が抑制された。これらの結果から、皮膚冷却刺激による非ふるえ熱産生にDMHニューロンの関与が示唆された。さらにDMHにおけるPOAからの入力の皮膚冷却刺激による熱産生に対する関与を調べるために、DMHから前部の脳部位を離断した。その結果、離断後熱産生が著しく促進して高体温となったが、離断の3から4時間後に皮膚冷却刺激を行っても熱産生は促進しなかった。したがって、皮膚冷却刺激で誘起される非ふるえ熱産生に対してDMHの前部からの入力が関係していることが示唆された。
|