2005 Fiscal Year Annual Research Report
一般相対論的重力多体系がフラクタル的空間構造を自発形成する力学機構の解明
Project/Area Number |
04J01589
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Research Institution | Waseda University |
Research Fellow |
小山 博子 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 宇宙物理 / 銀河形成 / 力学 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は次の通りである。 宇宙における基本的構成要素である銀河に成り立つ統計則のひとつである、タリーフィッシャー関糸について、その物理的起源の解明に努めた。回転する銀河の回転速度と絶対光度の間には、タリーフィッシャー関係とよばれるスケーリング則が成り立つことが、観測から広く知られている。本研究では、あくまで経験則であるタリーフィッシャー関係の物理的起源を解明するため、銀河の進化において重要なプロセスと考えられている超新星爆発によるガスの加熱にともなう力学的応答が、タリーフィッシャー関係に及ぼす効果を調べた。球対称のダークハロー内に軸対称の密度分布を持つ薄いディスクを置いたモデルを構築し、加熱によって銀河外へ掃きだされたガスの質量と、銀河のサイズおよび回転速度の変化量との関係を数値的に計算した。さらに冷たいダークマターシナリオに基づくダークハローのスケーリング則と加熱の質量依存性から、銀河の回転速度と質量の分布を数値的に計算した。その結果、加熱による力学応答は、観測されるタリーフィッシャー関係のべき則が再現されるための必要不可欠な物理過程であることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)