2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナヴィエ・ストークス方程式における可解性及び調和解析学の応用
Project/Area Number |
04J01590
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
澤田 宙広 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(PD)
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Keywords | Navier-Stokes方程式 / 可解性 / 半群理論 / 非減衰 / Maximal Regularity / スピンコーティング |
Research Abstract |
今年度は、2次元Navier-Stokes方程式において、減衰しない初期値を与えた時の解の挙動について、新しい結果を得た。今までは時間無限大において、指数関数の指数関数オーダーe^<e^t>なる悪い評価しか知られていなかったが、それを指数オーダーe^tと改良できた。また外力項を考慮した場合についても、同様に良い評価を導く事に成功した。 また、初期速度が無限遠方で増大している場合についても新しい結果を得た。初期速度場U_0をU_0=f+u_0として与えた場合(ただしfはリプシッツ関数でu_0は可積分関数である)、滑らかな時間局所解の構成が可能になった。これは一昨年にドイツに滞在した時に得られた結果の一般化となっている。この背景には、最近になって発展の目覚しい半群理論の研究結果がある。それを適応および修正して、この結果を導き出した。 最近になって、「スピンコーティング問題」について、集中的に考察を行っている。これは、トランジスタなどを製作する課程において流体による皮膜を作る事が要求され、その問題への数学からの解析をしている。そして、ドイツの研究者たちと共同研究を行い、新しい結果が得られそうな手応えを掴んだ。これには、「Maximal Regularity」と呼ばれる、半線形の偏微分方程式を解く際に使われる手法を用いた。
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Research Products
(4 results)