2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナヴィエ・ストークス方程式における可解性及び調和解析学の応用
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04J01590
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
澤田 宙広 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 偏微分方程式 / ナヴィエ・ストークス方程式 / リプシッツ連続 / 正則性 / 解析性 / ケーラー・ジーゲル方程式 / 伝播速度 / アレン・カーン方程式 |
Research Abstract |
私はこの1年で、以下の2つの結果を得た。1つ目は、非圧縮な粘性流体の運動を記述するNavier-Stokes方程式について、定常解のまわりでの可解性の定理を得た。すなわち、初期速度場をf(x)+u_0(x)とした時の時間局所解の存在を証明した、ただしfはリプシッツ連続な定常解で、u_0を可積分関数の摂動とする。また、得られた解の意味においても考察を行った。得られた解は積分方程式を満たすものである。その解が古典的な意味で方程式を満たすのか、一般にはまだ分かっていない。しかし、f(x)=MX(ただしMは定数行列)と限定された場合は古典解になる事を証明した。2つ目は、ある種の放物型方程式において、解の空間変数に対する解析性を示した事である。具体的には、走性粘菌の運動を記述するKeller-Segel方程式や燃焼モデルを記述するある種の半線形熱方程式(Fujita方程式)、金属格子の向きの修正運動を表すAllem-Cahn方程式を扱った。これらの問題について、得られた解は滑らかである事は良く知られていた。今回は、更に深く考察を行い、解が解析的である事を証明した。証明の方針は、解の高階微分を丁寧に調べて、テーラー展開の収束半径を下から評価する事である。系として、解の伝播速度が無限大である事が従う。今まで伝播速度が無限大である事の証明は強最大直原理に由来した。今回は新しいアプローチで、強最大値原理の応用が難しいベクトル値の解についても、伝播速度が無限大である事が証明出来た。
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Research Products
(3 results)