2006 Fiscal Year Annual Research Report
複合機能性層状コバルト酸化物の設計開発:熱電変換素子及び燃料電池電極材料への応用
Project/Area Number |
04J01600
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
石渡 晋太郎 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 層状コバルト酸化物 / 熱電変換 / 巨大磁気抵抗 / 強磁性 / 酸化物エレクトロニクス / ゼーベック係数 / 結晶構造解析 |
Research Abstract |
まず、層状ミスフィット型コバルト酸化物[Sr_2O_<2-d>]_pCoO_2の単結晶試料を用いた磁気抵抗、ホール抵抗、ゼーベック係数の測定を行い、他のミスフィット型コバルト酸化物と比較を行うことで、ミスフィット比pと室温でのゼーベック係数が正の相関をもつことを見いだした(J.Phys.Soc.Jpn.75,`104716(2006))。これは層状コバルト酸化物の熱電変換材料としての性能向上につながる重要な研究成果だと言える。次に、ペロブスカイト型コバルト酸化物Sr_<1-x>A_xCoO_<3-d>(A : Lanthanides)が示す室温強磁性(T_c=360K)の起源を解明するため、SPring-8の高田らのグループと共同で放射光X線回折実験を行い、精密な結晶構造解析を行った。その結果、500K近傍で酸素欠損の秩序化が起こり、360Kでの強磁性転移と同時にスピン状態・軌道秩序が起きている可能性が示唆された。この結果は現在Phys.Rev.Lett.へ投稿中である。最後に、新規六方晶型層状コバルト酸化物SrCO_<12>O_<19>の単結晶試料を、京大化研高野研究室の高圧装置を用いて作製することに成功し、寺崎研究室にて巨大負磁気抵抗を示すことを見いだした。この物質は、六回対称軸と平行に数テスラの磁場がかかると、抵抗が100倍以上減少(コバルト酸化物としては最大)する大変興味深い系で、コバルト酸化物のもつ新しいエレクトロニクス材料としての可能性をさらに押し広げたと言える。
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Research Products
(5 results)