2004 Fiscal Year Annual Research Report
発達生態心理学の創生:ダイナミックタッチによる探索の全体論的理解を通じて
Project/Area Number |
04J01637
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
清水 武 早稲田大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 認知科学 / 発達生態心理学 / ダイナミックタッチ |
Research Abstract |
4月から,ダイナミックタッチの関連文献を中心に書籍を収集し,認知科学研究誌に投稿中であった論文「知覚における確信度変化への現象学的アプローチ」を修正した(同論文は2004年9月に公刊)。5月には,認知心理学研究誌に投稿中であった論文「ダイナミックタッチ研究の現状と今後の課題:批判的レヴュー」を修正した。さらに,質的心理学研究誌に投稿中であった論文「ダイナミックタッチにおける知覚の恒常性:方法論としての精神物理学と実験現象学」の修正加筆をおこなう(同論文は10月までに採択,2005年3月公刊予定)。これらの成果により,触知覚における量的側面だけでなく,(測度に落としにくい)質的な側面の現象学的記述の重要性が強調された。 7月からは渡欧し,オランダのフリー大学にてダイナミックタッチ研究に関する最新の知見について意見交換をおこなった。これにより新たな2つの問題点が整理された。第一に,精神物理関数としての慣性テンソルモデルの独立変数である「最小固有値の効果」の再検討が必要になること,代替モデルとして「最大固有値・静止モーメントモデル」の検討が重要視されることであった。そこで,実験材料の有力候補であったテンソルオブジェクト(Amazeen,1996)を使わず,Kingmaら(2004)によって考案された新オブジェクトを用いた実験計画へと方針を転換し計画を練り直した。第二に,Perceptual and motor Skills誌へ投稿中であった論文「Development in the detection of invariants by haptic touch : a case of rod length perception」の分析モデルを慣性テンソルモデルから最大固有値・静止モーメントモデルへと変更した。執筆にあたっては,Toulouse大学の則松宏子氏にアドバイスをもらい,論文を再投稿した。 11月からはダイナミックタッチによる棒の長さ知覚に関する予備実験とデータの収集を開始し,論文の準備中である。
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Research Products
(3 results)