2004 Fiscal Year Annual Research Report
mRNAのプロセシングと輸送の1分子蛍光イメージング
Project/Area Number |
04J01705
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
石浜 陽 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | mRNA / スプライシング / 1分子蛍光イメージング / スペクトルイメージング / プリズム分光 / 基板固定化 / PEG / in vitro |
Research Abstract |
本年度は、ガラス基板に固定化したmRNAのスプライシング反応1分子可視化を目指し、以下の課題に取り組んだ。 [ガラス基板へのmRNA固定化法の確立] mRNAを特異的に、かつスプライシング反応の阻害を回避するように固定化するため、基板表面をポリマー修飾したガラスを用いた。アミノシラン処理によりアミノ基を導入した石英ガラスにNHS-PEG(Polyethylene glycol)を結合させた。PEGには一定の割合でbiotin修飾したものを用いて、これにstreptavidinを介してmRNAの3'末端配列に相補的な5'末端biotin化したアンカーRNAを結合させた。mRNAはアンカーRNAの相補配列を介して固定化した。上記固定法により、mRNAの基板への非特異的な吸着が~2%程度に抑えられることが顕微鏡下で確認された。さらに、アンカー核酸として2'-O-Methyl RNAを用いることでHeLa核抽出液に内在するNuclease活性を抑制することに成功し、反応に十分な時間(1時間)mRNAが基板に固定化されていることが確かめられた。 [分光プリズムを用いたmRNAのスペクトルイメージング] 分光に用いるプリズムの改良により、主光軸をずらすことなくスペクトル画像が得られるようになった。分光プリズムとして、異なる2つのガラス材(BK7,SF6)を重ね合わせたウエッジ基板を作製し、これをエバネッセント蛍光顕微鏡の結像途中に組み込んだ。この顕微鏡を用いて、エキソンとイントロン配列を異なる蛍光色素で染め分けたmRNAの1分子蛍光観察を行なった。この際、mRNAを標識する蛍光色素としてAlexa Fluor 594とAlexa Fluor 647の組み合わせを選択することで、同一波長励起(594nm)による観察ができるようになるとともに、蛍光波長が長波長であることから背景光を減少させることにも成功した。
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