2005 Fiscal Year Annual Research Report
古代エジプト新王国時代におけるコア・ガラスの製作地同定と地域間交流に関する研究
Project/Area Number |
04J01715
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Research Institution | University of Tsukuba |
Research Fellow |
池田 和美 筑波大学, 人文社会科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 古代エジプト / 新王国時代 / コア・ガラス / 前2千年紀 / シナイ半島 / セラビート・アル=カーディム / ティムナ |
Research Abstract |
・本年度10月から2月にかけて中近東文化センターで開催された「ガラスの博物誌〜ガラス文化の源流を辿る〜」展の企画委員として、前2千年紀および前1千年紀のコア・ガラスや、象嵌用ガラス板、護符、装飾品などの実見調査を行い、主に技法と、背後にある文化に焦点をあてた展示を行った。この成果を同展カタログの展示解説に執筆した。 ・ツタンカーメン王墓出土のガラス製品に関して、発掘者カーターが行ったガラス研究の歴史があったために、同墓報告書で報告されたガラス製品が充実していることに触れ、前2千年紀における多彩なガラス利用に関する論考を、「ガラスの博物誌」展カタログに執筆した。 ・ロンドン大学考古化学研究室に所蔵されている、ティムナ遺跡出土コア・ガラスの実見調査を行った。同研究室のレーレン博士(Rehren, T)と、様式と科学分析の両面から共同研究を行うことを合意した。 ・オックスフォードのアシュモレアン博物館にて、セラビート・アル=カーディム遺跡出土のコア・ガラスに関する予備調査として、文献調査とともに、一部の遺物の実見調査を行った。 ・ティムナ遺跡およびセラビート・アル=カーディム遺跡出土のコア・ガラスが、器形及び文様の面から、グラーブ遺跡出土コア・ガラスに非常に類似している点を指摘し、両遺跡には、グラーブ近郊のメンフィスを中心とした製作域から搬入されたものであることを論じた発表を日本ガラス工芸学会研究会において行った。 ・コア・ガラス製作には棒ガラスが用いられていると推測されているため、現在でも伝統的製法で棒ガラスを製作している大阪、佐竹ガラスにて、聞き取り調査などを行った。
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Research Products
(1 results)