2006 Fiscal Year Annual Research Report
古代エジプト新王国時代におけるコア・ガラスの製作地同定と地域間交流に関する研究
Project/Area Number |
04J01715
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Research Institution | University of Tsukuba |
Research Fellow |
池田 和美 筑波大学, 大学院人文社会科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 古代エジプト / 新王国時代 / コア・ガラス / 前二千年紀 / シナイ半島 / セラビート・アル・カーディム |
Research Abstract |
・オックスフォード・アシュモレアン博物館に所蔵されている、「シナイ半島出土、ブリンダース・ピートリ寄贈」と書かれたコア・ガラス約1000点について、ブリンダース・ピートリの野帳などを元に、これらのコア・ガラスがシナイ半島のセラビート・アル=カーディム遺跡に由来するものであることを確認した。 ・セラビート・アル=カーディム遺跡出土の土器をはじめとする遺物は、エジプトに由来するものと、パレスチナ地域に由来するものがあることを確認した。当該遺跡は採掘遺跡と神殿からなる遺跡であり、パレスチナ地域およびエジプトの両地域の入々が遺跡の形成に携わっていたことが知られている。そこで、遺物の分布状況を調べることで、コア・ガラスについてはシリア・パレスチナというよりもむしろ、エジプト人が使用したものである可能性が強いことを確認した。 ・ベルギー・アントワープで開催された、国際ガラス史学会(Association Inernationale pour l' Histoire du Verre)に出席し、古代ガラスの研究家とシナイ半島出のコア・ガラスについて意見交換を行った。 ・ミュンヘン・レジデンツ博物館、ベルリン・エジプト博物館、ブリュソセル・王立歴史博物館、ライデン・エジプト博物館で、エジプト出土のコア・ガラスの調査を行った。 ・オックスドード・アシュモレアン博物館で、シナイ半島出土(セラビート・アル=カーディム)のコア・ガラスの調査を行った。
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Research Products
(1 results)