2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ寸法ラジカル高分子の合成と分子エレクトロニクスへの展開
Project/Area Number |
04J01747
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
田中 学 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ラジカルポリマー / ナノ微粒子 / シリコン微細加工基板 / メニスカス現象 / 多分岐型ポリマー / 金-チオール結合 / 原子間力顕微鏡 |
Research Abstract |
ラジカル(スピン)という機能性を有し、単一分子でnm寸法となる多分岐型ポリマーやポリマー微粒子を合成し、微細構造基板上へ一分子ずつ選択的に配置することで、マクロでは観測し得なかった単一分子に由来する新たな物性や全く新規なアプリケーションへの展開を見い出すことを目標としている。本年度はナノ寸法のラジカル高分子の合成と基板上への配列、多分岐型ポリマー末端への金と自己組織的に結合するチオール基の導入を目的とした。 1.ラジカル前駆モノマー4-メタクリロイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンを乳化重合し、ナノ寸法微粒子を合成した。続く化学酸化によりニトロキシドラジカルを発生させ、ラジカル含有ナノ微粒子を得た。粒径・ラジカルスピン濃度は重合・酸化条件を検討することにより、制御可能であった。 2.非常に簡便な方法(基板の浸漬・引き上げに伴うメニスカス現象を利用)を用い、微粒子濃度・基板の引き上げ速度等の実験条件を最適化した結果、ラジカル含有ナノ微粒子をシリコン微細加工基板上に規則正しく配列させることに成功した。 3.末端に多数のブロモ基を有する多分岐型ポリマーを4メチルチオスチレンとカップリング反応し、共役系を維持したまま高分子末端にチオール前駆体を導入した。ポリマー末端をチオール基へと誘導後、金-チオール結合による金基板への自己組織的な吸着を、水晶振動子マイクロバランス(QCM)測定、原子間力顕微鏡(AFM)観察より明らかにした。 以上をもとに平成17年度は、ラジカル微粒子の磁気力顕微鏡観察、ラジカルの酸化還元に基づく磁気像変化の観察等を計画している。また、高分子末端へのチオール基の導入と金への自己組織的吸着現象の検証で得た知見を基に、金マイクロ・ナノ電極を用いたラジカルポリマーの電気伝導特性評価を計画している。
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Research Products
(1 results)