2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J01748
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
中田 彩子 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 密度汎関数 / 時間依存密度汎関数法 / 内殻励起 / 価電子励起 / Rydberg励起 |
Research Abstract |
生体分子などの巨大分子の計算には、低コストかつ高精度な計算手法が必要である。そこで本研究では、比較的少ない計算コストで高精度に励起状態を求めることができる時間依存密度汎関数法(TDDFT法)に注目した。密度汎関数法において頻繁に用いられる汎関数の一つに、B3LYP汎関数が挙げられる。このB3LYP汎関数は、価電子が大きく寄与する原子化エネルギーなどの物性や価電子励起エネルギーに関しては非常によい記述を与える。しかし、内殻励起状態やRydberg励起状態に関しては、B3LYP汎関数での記述は非常に悪く、BHHLYPという汎関数を用いた方がよい結果を与えることが分かっている。そこで本研究では、内殻励起状態と価電子励起状態の双方をバランスよく記述することの出来る新しい汎関数CV-B3LYPを開発した。具体的には、分子軌道を内殻軌道と価電子軌道の2種類に分類し、電子状態を求めるのに必要な交換エネルギー項に関して、寄与する軌道の種類によって用いる汎関数の形を区別した。仮想軌道の記述はB3LYP汎関数に従うようにした。作成した汎関数を用いてTDDFT計算を行った結果、内殻励起エネルギーの誤差はBHHLYP汎関数の半分以下、価電子励起エネルギーの誤差はB3LYP汎関数と同程度にすることに成功し、内殻励起、価電子励起とも高精度に記述することが可能となった。また、同様の手法を用いて、Rydberg励起状態に関しても記述の改善を行い、内殻、価電子、及びRydberg励起エネルギー全てを精度よく再現することが可能となった。上記の結果は、昨年度に国内学会4件(発表予定含む)、国際学会2件で発表された。
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Research Products
(1 results)