2004 Fiscal Year Annual Research Report
触媒的不斉分子内シクロプロパン化反応の研究と天然物合成への応用
Project/Area Number |
04J01752
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Research Institution | Waseda University |
Research Fellow |
本間 将博 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 天然物合成 / シクロプロパン化反応 / 銅触媒 / 不斉合成 / ステロイド骨格 |
Research Abstract |
これまでに天然物合成に有用な光学活性な合成中間体としてシクロプロパン化合物をターゲットとし、α-ジアゾ-β-ケトスルホン類の触媒的不斉分子内シクロプロパン化反応を成功させている。そこで今年度は生成物であるトリシクロ[4.4.0.0^<5,7>]デセン誘導体を用いて(+)-digitoxigeninの合成研究を行った。 Na-Hgによるトリシクロ[4.4.0.0^<5,7>]デセン誘導体の開環・脱スルホンを行ってきたが、収率が50%程度であった。そこで、チオフェノールで開環、リチウムナフタレニドによって脱硫・脱スルホンし、2工程72%の収率で与えた。ケトンをL-Selectride【○!R】で立体選択的に還元し、所望のアルコール体を主生成物として定量的に4対1の比で得た。続いて、水酸基をTBDPS基で保護し、アリル位の酸化を試みた。PCC・Se酸化・過酸による酸化などを試したが、原料回収または基質が分解してしまった。結果的にヨウ素の過酸化物を用いた場合にのみ収率75%で生成物を得た。以上、5工程43%の収率でステロイド骨格のAB環フラグメントを合成した。 続いて、2-Allyl-2-methyl-cyclopentane-1,3-dioneをBaker's Yeastで不斉還元し、ケトンをケタールで保護、水酸基をTBS基で保護し、末端アルケンをオゾン分解、そのままNaBH_4で還元することでアルコール体とした。現在はさらに数工程を経て、D環フラグメントに変換中である。 これらの実績については第48回有機合成化学協会関東支部シンポジウム(新潟シンポジウム)及び日本化学会第85春季年会で発表している。
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