2005 Fiscal Year Annual Research Report
触媒的不斉分子内シクロプロパン化反応の研究と天然物合成への応用
Project/Area Number |
04J01752
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Research Institution | Waseda University |
Research Fellow |
本間 将博 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 天然物合成 / シクロプロパン化反応 / 銅触媒 / 不斉合成 / ステロイド骨格 |
Research Abstract |
天然物合成に有用な光学活性な合成中間体としてシクロプロパン化合物をターゲットとし、α-ジアゾ-β-ケトスルホン類の触媒的不斉分子内シクロプロパン化反応を成功させている。そこで今年度は生成物であるトリシクロ[4.4.0.0^<5,7>]デセン誘導体を用いた(+)-digitoxigeninの合成研究を行った。今までにAB環フラグメントを5工程43%の収率で合成に成功しているので、D環フラグメントの完成とステロイド骨格の構築を行った。2-Allyl-2-methyl-cyclopentane-1,3-dioneをBaker's yeastで不斉還元し、ケトンをケタールで保護、水酸基をTBS基で保護し、末端アルケンをオゾン分解、そのままNaBH_4で還元し、生じた水酸基をBPS基で保護した。更に、脱ケタール化し、Barton法によってヒドラゾンを経由してヨードアルケンを合成した。次に、フランのボレートとの鈴木-宮浦カップリングでは塩基を種々検討した。Pd(PPh_3)_4を触媒とし、K_3PO_4では収率75%、Tl_2CO_3では収率が良いものの原料は消失せず、Cs_2CO_3では収率100%でカップリング体の合成に成功した。両シリル基を脱保護し、水酸基とのキレートを利用したCrabtree触媒による立体選択的水素添加し、その構造はX線結晶構造解析で確認した。更に数工程を経てD環フラグメントを15工程42%の収率で合成に成功した。 D環フラグメントを銅試薬へと変換、AB環フラグメントに対してマイケル反応した後、脱ケタール化し、ジケトンに対してKHMDSを用いたアルドール反応を行った。所望の立体でステロイド骨格の合成に成功し、その立体配置はNOESYで確認した。 これらの実績については2005環太平洋国際化学会議(Pacifichem 2005)及び日本化学会第86春季年会で発表している。
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