2004 Fiscal Year Annual Research Report
イネ萎縮ウイルスの感染・増殖に関与する宿主タンパク質の構造と機能に関する研究
Project/Area Number |
04J01768
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Research Institution | 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構 |
Principal Investigator |
清水 巧 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 中央農業総合研究センター・病害防除部, 特別研究員(PD)
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Keywords | イネ萎縮ウイルス / RDV / 宿主因子 / レトロトランスポゾン / 遺伝子破壊 / ウイルス病抵抗性 |
Research Abstract |
イネ萎縮病の防除には抵抗性品種の利用が最も有効な方法のひとつであるが、本病の病原であるイネ萎縮ウイルス(RDV)に対する抵抗性品種は未だ報告されていない。そこで、本研究では(RDV)の感染・増殖に関与する宿主タンパク質の構造と機能の解析を行い、イネのウイルス病抵抗性育種素材の作出に資する。これまでに、イネ品種日本晴あ内在性レトロトランスポゾンTos17の挿入によって得られた約5,500の遺伝子破壊系統(ミュータントパネル)を対象としたRDV感受性変異系統の探索試験から、感受性を喪失した1系統が得られ、この遺伝子.破壊系統を用いた連鎖解析よりRice dwarf virus multiplication 1 gene(RIM1)を含むゲノムDNA断片を単離した。そこで、本ゲノム断片等を用いてウイルス感受性相補試験を行った。 Tos17挿入による遺伝子破壊系統(rim1)に野生型RIM1のゲノムDNA断片ならびにmDNAから得たcDNAを導いた形質転換体を用いて,RDVの接種試験を行ったところ、RDVに対する感受性が野生株と同等に復帰した。 次いで、本遺伝子破壊系統のウイルス特異性を明らかにするため、RDVと科が異なるウイルス、すなわちRDVと同一の媒介昆虫により伝搬されるイネ黄葉ウイルスとイネ縞葉枯ウイルスの接種試験を行った。その結果、野生型と同様に本遺伝子破壊系統は、両ウイルスに対して感受性を示したことから、RIM1はRDVに特異的に作用する宿主タンパク質であることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)