2005 Fiscal Year Annual Research Report
イネ萎縮ウイルスの感染・増殖に関与する宿主タンパク質の構造と機能に関する研究
Project/Area Number |
04J01768
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Research Institution | 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構 |
Principal Investigator |
清水 巧 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 中央農業総合研究センター・病害防除部, 特別研究員(PD)
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Keywords | イネ萎縮ウイルス / RDV / 宿主因子 / レトロトランスポゾン / 遺伝子破壊 / ウイルス病抵抗性 |
Research Abstract |
イネ萎縮病の防除には抵抗性品種の利用が最も有効な方法のひとつであるが、本病の病原であるイネ萎縮ウイルス(RDV)に対する抵抗性品種は未だ報告されていない。そこで、本研究ではRDVの感染・増殖に関与する宿主タンパク質の構造と機能の解析を行い、イネのウイルス病抵抗性育種素材の作出に資することを目的とする。これまでに、イネ品種日本晴の内在性レトロトランスポゾンTos17の挿入によるRDV感受性喪失系統が1系統得られ、ウイルス感受性相補試験により、この原因遺伝子Rice dwarf virus multiplication 1 gene(RIM1)を含むcDNA領域がRDVの感染・増殖に関与していることを明らかにした。 本年度は、RIM1タンパク質がウイルス感染に関わるという直接的な証拠を得るために、RIM1タンパク質とRDVがコードする12種のタンパク質間で相互作用するか否かについて解析を行った。まず、ファーウェスタン法を用いてRIM1タンパク質とウイルス粒子との相互作用を解析したところ、両者の結合は認められなかった。次いで、酵母two-hybrid法を用いてRIM1タンパク質とRDVの12種タンパク質間との相互作用を解析したところ、いずれの組み合わせにおいても結合は認められなかった。一方、この実験で、RIM1タンパク質をbaitとして酵母内で発現させたところ、レポーター遺伝子の転写が活性化された。以上より、RIM1タンパク質は、植物内でも同様に転写因子として機能し、間接的にウイルスに作用しているものと推察された。
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Research Products
(2 results)