2004 Fiscal Year Annual Research Report
計画経済システムの作動メカニズムと市場経済への移行過程の制度・進化経済学的分析
Project/Area Number |
04J01811
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
道上 真有 國學院大学, 経済学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ロシア / 移行経済 / 制度 / 進化 / 市場経済 / 地域経済開発 / 北東アジア / 国際労働移動 |
Research Abstract |
本研究課題を遂行するため、2004年6月15日から2005年6月30日までの期間でロシア連邦国立モスクワ大学経済学部にて在外研究を行っている。本年度は特に、移行過程の分析を中心に研究を進展させた。ロシア経済学界で制度経済学をリードするV.L.タンボフツェフ教授に師事し、講座での研究報告や議論を行った。ロシアの制度経済学・進化経済学の発展について調査するとともに、以下の研究課題について研究を進展させた。 まず初めに、研究者のこれまでの仮説である、「ロシア金融制度の未整備が、移行期における現物経済化を招いた」について賛同を得たとともに、この仮説を裏付ける資料・情報収集を行った。この成果は現在学術論文として作成中である。 次に「移行後の都市再開発過程における土地・住宅公共制度改革の実状とその役割」という研究課題で、その実証分析、資料・情報収集にも取り組んだ。具体的には、都市の未曾有の住宅建設ラッシュと都市への労働移入に対する受け皿としての住宅供給との間にはミスマッチが発生していること、移行後の社会保障改革と住宅金融改革との関連、公共住宅機構改革の困難、都市部における中間所得者層の勃興と建設・不動産産業の発展との関連性およびそれらの市場経済化への影響、土地法制度の改正の影響、といった問題について分析中である。この研究成果の一部として、極東地域からの労働移入の実態とその影響、視野を広げロシア以外の周辺諸国(CIS諸国、中国、朝鮮等)からの国際労働移入の実態と影響について、翻訳論文が発表されることが決定している(別途記載)。 以上の研究に際して、モスクワ以外の地方都市との比較が不可欠と考え、サンクト・ペテルブルグ市、ノボシビルスク市にも出張し、資料・情報収集、研究者との議論を行った。
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Research Products
(3 results)