2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J01881
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
秋山 正幸 国立天文台, 光赤外研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 銀河進化 / ブラックホール形成 / 活動銀河中心核探査 |
Research Abstract |
すばる望遠鏡の多天体分光観測装置FOCASを用いて、すばるXMM-ニュートン深探査領域において見つかったX線源の可視分光観測を行い、X線源の距離、正体の決定をした。遠方宇宙にある活動銀河中心核が新たに多数発見された。特に、遠方宇宙に数多くの隠された活動銀河中心核があることが見えてきた。過去の観測結果に基づくモデルなどとの比較はこれから行う。結果は来年度に論文化する予定である。 また、遠方宇宙での銀河の進化の様子を調べるために、すばる望遠鏡の補償光学(アダプティブオピティクス、AO)と赤外線カメラIRCSを用いて、遠方銀河の撮像探査観測を行った。このデータ解析は現在進行中である。 さらに、GOODS深探査領域の活動銀河中心核の母銀河について、ハッブル宇宙望遠鏡を用いて得られた撮像データを用い、母銀河の星質量、星形成率を求めた。特に近傍宇宙で見られる銀河中心ブラックホールと銀河の質量の関係が遠方宇宙においてどのように変化しているかに注目した。結果、遠方宇宙の活動銀河核では、同じブラックホール質量で比較すると、銀河の星質量が近傍宇宙の活動銀河核に比べて小さいことがわかった。このことは銀河中心のブラックホールが先に形成され、銀河の形成が後に続くことを示唆している。ただし、遠方宇宙の活動銀河核では近傍宇宙のものよりもエディントン比が大きい、という仮定でも解釈できる結果であり、銀河とブラックホールの進化を明確に議論するにはさらに観測が必要である。
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Research Products
(6 results)