2004 Fiscal Year Annual Research Report
近代移行期トランシルヴァニアにおける多文化社会の再編:民族・宗教・日常性の範疇
Project/Area Number |
04J01951
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
秋山 晋吾 明治学院大学, 国際学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | トランシルヴァニア / 18世紀史 / ギリシャ・カトリック / ハブスブルク / 民衆騒擾 |
Research Abstract |
本年度は、研究目的である1760年代トランシルヴァニア西部山岳地帯で発生したカトリックと正教の教会合同への反対運動・再改宗運動(いわゆるソフロニエ騒擾)のハンガリーにおける文書館史料の調査および収集を中心に、研究作業を遂行した。特に、ハンガリー国立中央文書館所蔵の資料群のマイクロフィルム化をすすめた。収集した(マイクロフィルム化した)資料は、ソフロニエ騒擾調査委員会史料(MOL F71 Commissio Aulica Sofroniana)、トランシルヴァニア財務省直轄領史料(MOL F234 Erdelyi Fiscalis Leveltar)が中心である。前者には、1760年からトランシルヴァニアにウィーンから派遣された調査委員会の報告書、通達、聴取記録、住民統計記録などが収められている。後者には、トランシルヴァニア全域の直轄領関係の史料(通達、特権状、嘆願、土地台帳、裁判記録など)が収められているため、研究目的に即し、ソフロニエ騒擾が中心的に波及したザラーンド県史料(F234V.szekreny)、下アルバ県史料(F234IX.szekreny)、合同派再改宗問題関係史料(F234XXV.szekreny)をマイクロフィルム化した。現在これらの史料の解読、整理、分析を進めている。作業は、1.ソフロニエ騒擾の出来事としての再構成、2.騒擾の舞台となった地域の村レベルの社会構造分析を中心に進めているが、平行して、17世紀末、18世紀前半の教会合同全般に関する文献研究も進めており、運動の前提となった勅令、法律の試訳を行っている。
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