2004 Fiscal Year Annual Research Report
東洋区インドシナ亜区に産するオオズアリ属の多様性生物学的研究
Project/Area Number |
04J01970
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
江口 克之 鹿児島大学, 総合研究博物館, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 膜翅目 / アリ科 / オオズアリ属 / 分類学 / 生物地理学 / 東洋区 / インドシナ亜区 |
Research Abstract |
本年度は初年度であるため,標本資料の収集に重点を置いた.2004年5月中旬6月中旬にかけて約一ヶ月間,ベトナム北部クァンニン省イェントゥ寺院周辺,バクザン省西イェントゥ国立公園そしてバッカン省バベ国立公園の3カ所でアリ類の調査・採集を行った.本研究課題であるオオズアリ属の分類学的研究に必要な標本資料を精力的に収集しただけでなく,当地のアリ類の多様性生物学的・生態学的調査も行った.具体的には植物体上で活動するアリと地表・落葉層で活動するアリの種多様性,種構成を定量的手法で調査し,違いを明らかにした(来年度に補足調査を行った後,発表予定).また,トゲオオハリアリ類の巣に居候する好蟻性陸生貝類に関する新知見を得た(掲載決定).2004年10月にはベトナム南部ドンナイ省南カッティエン国立公園で3週間ほど調査を行った.その結果,ベトナム南部低地のアリの種構成が北部低地の種構成よりはタイ中部低地の種構成によく似ていることが明らかとなった.また非常に特異な形態の頭部を持つオオズアリの一種を発見し,新種記載論文を投稿準備中である.その他,オオズアリ属に関してはこれまでに蓄積してきた標本を基に,インドシナ亜区インドマレー亜区に分布するリナエオオズアリ種群の分類学的検討(掲載決定),ベトナム北部に産するオオズアリ属6新種の記載(査読中)を行った.また,1998年以降私を含む越日蟻研究者のグループがベトナム北部タムダオ国立公園とバヴィ国立公園で採集した標本を基に,当地のアリ類の種リストを作成した(掲載決定).
|
Research Products
(4 results)