2004 Fiscal Year Annual Research Report
液相焼結による炭化ケイ素セラミックスの微構造、電気物性及び力学物性の制御
Project/Area Number |
04J01980
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Research Institution | Kagoshima University |
Research Fellow |
日高 宣浩 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 炭化ケイ素 / ポリチタノカルボシラン / 加圧焼結 / 力学物性 |
Research Abstract |
炭化ケイ素粒子の周りに均一に焼結助剤(アルミナ+イットリウムイオン)を分布させるために、pH5の0.3M硝酸イットリウム溶液中で平均粒径0.8μmの炭化ケイ素粉体と平均粒径0.2μmのアルミナ粉体を混合した。30vol%の炭化ケイ素サスペンションにおいて、SiC粒子のネットワーク構造が吸着したアルミナとイットリウムイオンを介したヘテロ凝集により形成された。炭化ケイ素-アルミナ(1.17vol%)-イットリウムイオン(0.94vol%イットリア)の水性サスペンションを、石膏板を用いたろ過法で成形した。成形体の相対密度は52-55%であった。0.04-5.2vol%のポリチタノカルボシランを仮焼したSiC成形体中に含浸した。ポリチタノカルボシランを含浸した成形体と含浸していない成形体を39MPaの圧力で、1950℃、Ar中で加圧焼結を行った。ポリチタノカルボシランの含浸は、炭化ケイ素の焼結性、曲げ強度、破壊靱性を増加させた。また加圧焼結中のSiCの粒成長を抑制した。1.3vol%のポリチタノカルボシランを添加した炭化ケイ素の力学物性値は以下の通りである。平均曲げ強度:711MPa、破壊靱性:5.9MPa・m^<1/2>、ワイブル係数:12.5であった。 ポリチタノカルボシランの添加による力学物性の向上は、粒界における界面強度の増加によって説明することができる。含浸したポリチタノカルボシランからナノメーターサイズのSiCが生成する。これが、シリカ-アルミナ-イットリア系液相へ溶解し、再度、析出する。このことにより、粒界の強度が高められる。 現在比較のために、30nmサイズの炭化ケイ素粉体をサブマイクロメーターサイズのSiCに混合し、焼結性や力学特性に及ぼす影響を測定中である。
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Research Products
(3 results)