2004 Fiscal Year Annual Research Report
労働者の覚醒度を高める睡眠健康対策とその効果判定に関する研究
Project/Area Number |
04J02081
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Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health, Japan |
Principal Investigator |
甲斐田 幸佐 産業医学総合研究所, 日本学術振興会, 特別研究員
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Keywords | 睡眠 / 職業性ストレス |
Research Abstract |
1日の3分の2を覚醒に、3分の1を睡眠に費やすように仕組まれているにもかかわらず、年々、覚醒時間は延長し、睡眠時間は短縮している。労働者は覚醒時間の大半を仕事に使うが、勤務の時間帯は近年、夜間ないし早朝にずれてきている。このような状況では、労働者がより健康な睡眠をとり、より目覚めた状態で仕事をすることは容易ではない。その結果、作業能率は低下し、事故が起こりやすくなる。さらに、創造的な仕事も阻まれる。労働の質を高めるためには、仕事中の覚醒度を維持・促進させる必要がある。睡眠研究の著しい進歩によって、覚醒度対策につながるような知見が示されている。たとえば、短時間の仮眠、高照度光、運動などは、その有効性が実験的には証明されている。しかし、これらが実際の職場でどの程度有効であるかについては、ほとんど検討されていない。職場における実用性という点では、労働者の睡眠習慣や生活習慣の是正、職業性ストレスの管理、睡眠健康教育の実施なども適当な対策となるかもしれない。本研究では、労働者の覚醒度を向上させるための実際的な対策を探ること、およびその効果を判定することを目的とした。今年度は,既存の研究成果にもとついて、有効でありながらも、職場で実施しやすい対策を仮説的に考案した。勤務スケジュール、仕事内容、年齢構成などは職場ごとに異なるため、産業医や保健師など産業保健スタッフも交えて、候補となる対策の妥当性をよく審議した。並行して、導入した対策の効果を正確に判定するシステムを構築した。評価項目には生理学的指標(睡眠ポリグラフィ、心電図RR間隔など)、心理学的指標(自覚的眠気、疲労感など)、行動学的指標(精神運動ビジランス、睡眠・覚醒パターンなど)を含めた。これらの項目は労働現場において測定するため、携帯型測定器を活用した評価システムづくりを目指した。
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Research Products
(3 results)