2004 Fiscal Year Annual Research Report
生体システムを集積化した素子・システムの創製と実用化
Project/Area Number |
04J02084
|
Research Institution | Kitasato University |
Research Fellow |
加藤 くみ子 (酒井 くみ子) 北里大学, 薬学部, 特別研究員PD
|
Keywords | ゾルーゲル反応 / ハイスループット解析 / 酸素反応 / 生体分子 / シトクロムP450 / マイクロプレート |
Research Abstract |
これまでにアルコキシシランを原料とした高含水ゲルを用い、活性を保持したままタンパク質を微小空間内へ固定化する方法を開発し、ガラス細管やマイクロチップを用い固定化したタンパク質の機能を効率的に利用することに成功した。本研究では、この技術の実用化を目指し、医療分野への応用研究、様々な生体分子、細胞、組織を固定化したバイオ素子・システムの作製、ならびに固定化ゲルの改良を目標とした。 創薬研究への応用として、シトクロムP450固定化素子の開発研究を行った。開発したゲルは、薄膜状に調製しフィルムコーティングすることが可能である。そこで、現在薬物代謝研究及び一塩基多型解析において注目されているシトクロムP450(P450)を含有するミクロソームを96穴マイクロプレートのウェル内にコーティングすることで、医薬品開発候補品の代謝経路及びその阻害反応を解析するハイスループットスクリーニングシステムの開発を目指した。このP450固定化プレートは、現在まで不可能であったP450の繰り返し利用及び分析操作の簡便化を可能にし、経済的な効果が期待された。テトラメトキシシランの加水分解および重合反応により調製したゾル溶液にP450を含むミクロソーム溶液を加え混合した後、あらかじめポリ酢酸ビニルで表面を親水性処理した96穴マイクロプレートの各ウェルに分注し、4℃で2日間以上放置することでゲル化を進行させ、P450をウェルに固定化した。代謝活性の測定には、蛍光性基質エトキシレゾルフィン溶液を用い、37℃で反応させ、プレートリーダーを用いて生成したレゾルフィンの蛍光を測定した。その結果、反応時間の増加に伴い、生成量が増加した。また、繰り返しの測定も可能であった。
|
Research Products
(6 results)